サービス ストローク ネットプレイ リターン 戦術

バウンド後変化の活用

2024年2月19日

バウンド後変化

テニスはバドミントンと違い、バウンドしてから打つ場面が多い競技です。したがって、空気中のボール軌道も重要ですが、バウンド後の変化による影響を受けやすいスポーツであることを利用すべきです。曲がり方(横X方向)・伸び方(奥行きY方向)・跳ね方(高さZ方向)・の3次元的な視点で話をしていきます。

サーブの球種によるバウンド変化

スライスサーブ(X方向)は、横回転をかけることで、相手から打点を遠ざけたり近づけたりします。相手を横方向に動かすことができるので、カラダから遠いところの非力な打点で取らせたり、逆にカラダの正面で詰まらせたりできます。大きく踏み込んで打てない選手、腕を折りたたんで打てない選手、細かいフットワークが苦手な選手によって、徹底的に狙うのも良いと思います。
フラットサーブ(Y方向)は、威力のある打球であればバウンド後に相手に向かっていくように伸びていきます。逆に威力を殺して打つ相手に向かう時間を遅らすことができます。伸びの強弱を使って、打球を捉えるタイミングに変化を加えてミスショットを誘います。
スピンサーブ(Z方向)は、縦の順回転をかけることで、バウンド後に跳ねさせるサーブです。相手が非力になりがちな高い打点で打たせることができます。また、山なり軌道になりやすくネットの高いところを通すことができるため、サーブの入る確率が高く、ファーストサーブはもちろんのこと、セカンドサーブで打つ機会も多いのが特徴です。
3軸それぞれの特徴を挙げましたが、サービスの質をさらに上げるという観点では、1軸の変化だけでなく、2軸や3軸の変化をつける必要があります。
例えば、
①スライス回転と威力を抑えたサーブ(XY方向)を短いワイド方向に打てば、かなり角度のついたサーブとなり相手からノータッチエースが狙えます。(右利きの場合はデュースサイド)
②キックサーブ(XZ方向)をワイド方向に打てば、角度のついた跳ねるサーブとなり相手の高く遠い打点で打たせることができ、ミスショットを引き出したり、コート外へ追い出すことも可能です。
③ナチュラルスピンサーブすなわち斜め回転のサーブ(XYZ方向)は、3次元的な変化を加えることができ、サーブの鍛錬を積めばXYZ方向それぞれの強弱を操ることができるので、様々な場面や相手に対して有効なサーブの選択肢が増えます。[*参考本:テニス丸ごと一冊サービス 堀内昌一 著]

リターンで相手の3球目をどうやって打たせるか

まず基本となるのが、真ん中の深いエリアに返すことです。その上で、伸びのある(Y方向)ボールを真ん中に打つと、リスクを抑えつつ相手の攻撃の対処もしやすくなります。なぜなら、自分のボールがサイドアウトすることなく、相手にとっても深ければ深いほど角度のついたボールを打ちにくいからです。さらに、トップスピンで跳ねるボールも打つも良し、スライスで滑るボールも混ぜていくと効果的です。欲を言えば、真ん中でもバック寄りに配球できると相手の攻撃力を下げることができます。
相手のスキルに応じた対処法として、
サーブの威力が高く返球するのが精一杯のとき、浅くても良いのでスライス回転やフラット系でなるべく跳ねないボールを打つことです。ネットより高い位置でチャンスボールを打たれてしまうと、対応が難しくなるため、低い打点で打たせて次のショットの処理に備えてチャンスを作りブレイクゲームに繋げると良いです。
速いテンポで打たれ自分の時間がないとき、山なりのボールをフォアもしくはバックの苦手なコースに配球する。どの球種(スピン・スライス・フラット)でも良いですが、推奨はスピン系ボールです。時間も作れて相手の攻撃力も下げることができます。ネットの高いところを通すことが打つコツです。

ストローク戦で相手を翻弄

ストローク戦では、エースを取る機会よりも、相手からチャンスボールを引き出したり、ミスを誘う機会の方が断然多いです。相手の好きなように打たせないためにもバウンド後の変化は重要になってきます。インパクトの直前までボールの変化に注意を払わないといけないので、自分のリズムを崩す機会が増え、次のショットへの動き出しに影響が出やすい。また、フットワーク量も増え無理な体勢で打つ機会が多くなると、疲れに繋がりやすい。バウンド後の変化はラリー戦において非常に大切な要素なので、相手にどう打たせるかを考えながら練習や試合に取り組むことをオススメします。

ボレーの伸びる止まる曲げる

ボレーは、エースを取る・スマッシュや決めボレーに繋げる役目があります。相手にパッシングショットを満足に打たせないために、打点を遅らせる目的で伸びのあるボールを打つことが基本となります。また、相手のポジションが下がっている状況や自分から力強いショットを打つのが苦手な人に対しては、わざと止まるようなボレーを打つと良いです。また、相手に触らせたくない場合には、サイドスピンをかけることで相手からボールを遠ざける方法もあります。ここで言いたいことは、ボレーを強く打てば全て良しではなく、相手の時間を奪ったり、コートを広く使うとシングルスでのポイント決定力が向上すると思います。

スマッシュの回転活用

高い打点で角度のついたボールを打てる場面を除いて、難しいロブの処理では、直線的な打球ではなく、斜めや横回転をかけてバウンドにカウンターを打たれない工夫をすると良いです。

-サービス, ストローク, ネットプレイ, リターン, 戦術
-, ,